(この記事は中池の個人的な感想を元にしています)
去る2023年5月5日、愛知教育大学、未来ラボステーションさま、丸善雄松堂さまの協力により、豊田市T-FACEイベント会場にて「第4回親子プログラミング教室〜マイクラの世界で挑戦しよう〜」のイベントを開催しました。今回は教育版マインクラフトを用い、マイクラの世界でプログラミングに挑戦しました。
午前中は小学1〜3年生の親子10組、午後は小学4〜6年生の親子10組が参加し、マイクラの中で自分だけの橋を自動建築するプログラムを組みました。愛知教育大学からは中池が講師として参加し、新津理事と学生ICT支援員4名がサポートに入りました。人気のあるマイクラということもあり、ノートPCの前に座った子どもたちは、イベントが始まる前からそわそわと待ちきれない様子でした。
当初は、マイクラエキスパートが多いと予想していましたが、初めてという子も少なくありませんでした。また、Switchなどのゲーム機でマイクラを遊んだことがある子も、ノートPCのキーボードとマウスでの操作に慣れておらず戸惑いが隠せません。特に小学校低学年の子は、キーボードやマウスに触ること自体が初めてで、まずは操作自体に悪戦苦闘していました。
最初のチュートリアルでは、キーボードとマウスを使っての基本操作から入りました。覚えが早い子どもたちですから、しばらく経てば操作に慣れてきます。ある程度操作に慣れたら、ゲーム内でプログラミングのやり方を一緒に練習しました。
今回挑戦してもらう課題は、ワールド内にある川(正確には横幅が6奥行き128の形に穴を掘り水ブロックを敷き詰めた地形)において、エージェント(召使いゴーレム)にプログラムで命令して橋を作らせることです。まずは皆で一緒に、ブロックをただ一列並べて一本橋を作るチュートリアルを行い、その後自由に挑戦を始めました。
小学校低学年では、ブロックを敷き詰めた平らな橋を作る子が多かったのですが、一方で、幅6ではなく奥行き128の長辺の方に長い橋をかけるといった想定外の柔軟な発想を持つ子もいました。128ブロックも手で並べるのは大変ですが、プログラミングだと繰り返し(ループ)を駆使すれば簡単です。
一方中高学年になると、階段状の構造を持つ立体的な橋を作ったり、欄干のある橋など、より見応えのある橋を作る子たちが出てきました。橋の構造パターンのうち一部のみをプログラミングし、そのパターンを何度も繰り返すことで見応えのある橋を作る様子は、まさに問題解決においてプログラミングを道具として活用する理想像を体現していました。また予想外だったのが、6×128の水面全てを様々なブロックを用いてモザイク状に埋め立てる子が出たことです。川を渡るための橋という意味では間違ってなく、その発想の自由さに皆で驚きの声と笑いが生まれました。
すでに4回目となる親子プログラミング教室ですが、私たちは、子どもたちが創造性を発揮できるような課題を意識してきました。たとえば「ロボットでかっこいい絵を描いてみよう」「自分だけの橋をつくってみよう」など子どもたちのオリジナリティが発揮できるような課題を設定することで、自分で問題を設定しその問題を解決するような自発性を重視したプログラミング的思考を実践的に学べると考えているからです。
プログラミングの勉強会としてよくあるのが、出題された問題パズルに各自で挑戦し正解となるプログラムを作って互いにタイムや効率を競い合う形式です。それは勉強の仕方として間違いではないのですが親子での楽しい体験をベースとしたイベントでは、正解にとらわれることなく自由な発想で自分なりに挑戦してもらうことが重要だと考えています。プログラミング初心者は初心者なりに、またプログラミング塾に通っているような経験者も経験者なりに、目標を定めて挑戦する点が重要です。自分で設定した目標に自分なりに取り組むという自発的な挑戦は、質の高い学びと同時に親子で一緒に頭を悩ませるという楽しい時間を生み出しています。その点でも今回のイベントは、成功だったと言えるでしょう。
このイベントは夏に第5回目の開催を予定しています。興味がある方は奮ってご応募ください。毎回とても人気がありますので、早めの申し込みをお勧めします。